アニメーション監督術 第2回

アニメーション監督術、第2回目の講師は細田守さん!

今年の夏、「サマーウォーズ」が公開され、多くの人を楽しませてくれた細田監督。
前作の「時をかける少女」にひきつづき、たくさんの人を魅了した細田作品の演出術について、熱い講義が展開されました。
今回は聞き手にアニメーション研究家の原口正宏さん(学校ではアニメーション史の授業を担当)をお招きし、インタビュー形式で講義は進みました。

まずは原口さんが編集した、過去の細田作品のダイジェストを鑑賞&解説。
その後、細田さんのよく用いる演出方法について、その経緯と意図について伺いました。

○同ポジ(同じ画面、構図を繰り返す)の多用について
もともとは東映アニメーション時代に、作画枚数が3000枚と制限されている中で、その3000枚をいかに有効に使うかという問題の解決策として始めたそうです。
その中で手抜きに見えないように、ちゃんと演出として使っているように見せることを心掛けていたとのこと。
同じ画面の繰り返しによって生まれるリズムや面白さは、「時をかける少女」の当核シーンを観ても納得です。
他にも背景の枚数も少なくなるので一枚一枚のクオリティもあがるという話も。

○FIX主義(カメラワークを変えず動きでみせる)について
こちらもカメラワークをする動画制作となるとスペースをとるので、机の上を片付けなくてはいけないのが面倒という、周辺の理由を説明していて笑いを誘いました。
もちろんそれだけでなく、しっかり画面を止めて演技(動画)で魅せていきたいという意図もあるとのこと。カメラワークの中でもじわPAN(じわ~とPANする)は特に効果的で雰囲気を出しやすいから、そればかりになってしまいがち。それは表現者として敗北なのではないか。そのようなことも言っていました。

商業アニメを制作する上での制約を利用して「面白さ」を追及する。
その演出方法がしっかり考えられたものであることに感心させられました。

そして講義は「サマーウォーズ」の場面ごとの演出意図について、絵コンテを見ながら解説、その後映像で確認という流れに。
ネタバレするといけないので詳しくは書きませんが、印象に残っていたシーンの演出意図を知ることが出来、とても面白かったです。

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解説の中で作品制作のヒントになる言葉をたくさん聞くことが出来ました。
・想像力をかきたてる間の効果
・意味が通じるだけでは面白くない。
・キャラクターの心理にふみこむアイデアを探る。
・記号的になるとつまらなくなる。
・物語の肝、柱となるものを一枚絵でどう見せるか。(サマーウォーズでは「家族」)
・映画には必ずこれだ!と思う演出の答えがある。
などなど。

参加者の方々もメモを取り、真剣そのもの。
具体的な内容で、制作を志す人にとってとても為になる講義だったのでは、と思います。

講義の後は教室にて懇親会を開きました。
細田さんは常に20人くらいに囲まれ、様々な質問に休むことなく丁寧に答えてくれていました。
たくさんの人と関わり信頼関係を築いていかないといけない監督家業の資質をちゃんと持っている人なんだなあ、とまたしても感心。
そして参加者の方々の細田さんへの眼差しが本当にきらきらしていて、良かった…としみじみ思いました。

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結局0時近くまでお付き合いいただきました。
本当にありがとうございました!

さて、大盛況の第2回も終了。
第3回目は劇場版クレヨンしんちゃん、「河童のクゥと夏休み」の監督、原恵一さんが講師です。
乞うご期待!
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by 2008_smallschool | 2009-11-16 17:28 | アニメーション監督術
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