アニメーション監督術 第6回

アニメーション監督術第6回レポートです。

今回の講師は「白蛇伝」「鉄腕アトム」など日本アニメ黎明期から活躍する重鎮、りんたろう監督です。 進行役はやっぱりこの人、原口正宏さん。
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綺麗な紫色のセーターを身にまとい「ダンディー」という言葉がぴったり!なりんたろうさん。
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今回は代表作「迷宮物語」と最新作「よなよなペンギン」(初のフルCG作品)から「アニメーションとは何か?」という根本的なテーマを解き明かします。
アニメーションの言葉の原点は「アミニズム」(原始)であるというところから話はスタート。
最近のアニメーションはストーリーが中心になっているが、映像が言語を超えて語りかけてこないとアニメーションではない。と監督は語ります。
重要なのは、絵や言葉で説明するのではなくいかにイマジネーションを触発するか。

代表作「迷宮物語」を鑑賞し、コンテを見ながら解説。
1989年劇場公開された迷宮物語は、眉村卓の小説を元にしたオムニバス形式の作品で、「ラビリンス*ラビリントス」(りんたろう監督)、「走る男」(川尻善昭監督)、「工事中止命令」(大友克洋監督)の全3話で構成されています。
りんたろうさんのパートは物語入り口として(案内役)日常から非日常の世界にいざなう役割をしています。
そこに描かれているものは監督の子供の頃の心象風景。
路地裏、缶けり、見世物小屋。
キャラクターの線がやわらかで、かつ妖しげで、動きや音、色合い、カットわり、様々な要素が強い印象を残していく、まさに言葉を超える映像表現!

感動したのはりんたろう監督の絵コンテ!
一枚一枚がかなり丁寧にかっちり描かれていました。
監督曰く、この時点で完成のイメージがはっきりと頭の中にあるのだとか。

監督は自分の作品の特徴は「光と闇」を描くところだと語ります。
そういう意味でも日常から非日常へとつながる「迷宮物語」、裏の東京が表へ出ようとする「よなよなペンギン」もりんたろう作品の特徴を感じさせます。

そして「よなよなペンギン」は元々CG嫌いだった監督の初めてのフルCG作品。
CGが嫌いだからといって否定はしない。
「CGについて考えてみようと思って」という監督の言葉に、CG盛りの「今」を見据えた上でのアニメーションの未来を考えているように感じました。

「CGにはもっと可能性がある」といいながら、「コンピューターは勝手に何でもやってくれる怖さがある」との指摘も。結局は使い手の問題で、CGだってひとつのツールでしかない。表現するのはやっぱり生身の人間ですもんね。

「マシーンを飛び越えたところでマシーンを使え!」
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か、かっこいい…。
お話を聞いていて、何に対しても表裏一体な部分をちゃんと見ている方なんだな、と思いました。

「よなよなペンギン」の絵コンテも凄まじかったです。
キャラクターと背景をレイヤー別に取り込んで、動きを確認できるかなりの力作!
「ここまでくると病気だね」と監督(笑)。
リミテッドアニメーションのような絵コンテムービーもそれだけで充分見ごたえがありました。

絵コンテを徹底的に描くのも自分のイメージをちゃんとスタッフに伝えたい。そんな監督の思いに他ならないのでしょう。日本人同士だって感覚のすれ違いがある中、フランス、バンコクでの作業ではさらに言葉の壁、感覚の違いに悩まされたそうです。
ただ「動く」だけではダメ。カットとカットのつながり、「間」を意識して動画を描いてほしいのに、なかなか伝わらない。最後には身ぶり手ぶりでのコミュニケーションです。

「映画を作るのは苦労の連続。しかし最後の最後には皆が幸せになってないと。」

りんたろう監督の言葉から温かさがにじみ出ます。
アート・アニメーションのちいさな学校は、手づくりのアニメーションを継承していくためにつくられた学校。CGで作品を作っている生徒は一人もいません。
りんたろう監督の作品がCGであっても、監督の精神は、この学校が持っている精神となんら変わりはないように思いました。

沢山名言も出ましたが、今回のベストはコレに決定!

「アニメーションはボーダレス」

国や手法のカベを飛び越えたところで勝負が出来る。そんなりんたろう監督のアニメーション監督術。本当に面白かったです。
胸が熱くなりました。
よってレポートも長くなりました。。

読んでくれた方、ありがとうございます。

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アニメーション監督術、今後の講師陣にも乞うご期待!
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by 2008_smallschool | 2010-02-25 22:04 | アニメーション監督術
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