第9回(2010年度第2回)監督術:大地丙太郎 コンテ演出

レポートです。
大地丙太郎監督、まとめの一言は
間が命
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大地監督は、漫画・写真・映画が大好きで全部の知識を使えるアニメーションに惹かれ、絵コンテ・音声入コンテ全てをこなす監督。

講義の始めと終わりに平成19年放送“NHK趣味悠々 落語をもっとたのしもう”を鑑賞しました。
大地:
「面白くなくても間が良ければ笑える。呼吸の取り方が大事。(落語)鑑賞者に息を吸わせなくちゃいけない。吸ってはく時に笑いをもってくる。寄席には臨場感のある雰囲気がある。演出の付加価値だね。笑いだけじゃなくて泣きも大事。」

熱いメッセージは
一歩踏み出す。悩んでいるならやってみる、迷ったらやる!やっちゃえ!四の五の言わずつくっちゃえ。頭で考えないでまずつくる。
数多くやる。つくればつくる程良い。習うより慣れろ。
この言葉にみんなぐっときた様子。
ものづくりをしていると、決断しなければならない場面が様々な箇所であり聴講者各々にとって共感できる言葉でした。

大地:
「つくっていると質問が出る。観てきた良いものみたいに出来ない葛藤。追求しているものは、面白いストーリーと気持ちの良いもの。」
「いつも手探り。楽しくできたな、新しいことに挑戦して“一歩踏み出した”と思えれば良い。」

■鑑賞作品
●学生時代自主制作作品「ギターを持ってる渡り鳥
ゆっくりとした間のギャグアニメで聴講者から笑いが。薄い色、細い線のアニメでした。
●「 ギャグマンガ日和」第8話 恋のラヴソングをきみに
マシンガントークギャグアニメ。物凄い早い台詞回し。
●「くるねこ」第37話
ゆっくりとした間。飼い主とねこの関係性をギャグ表現したアニメ。

大地:
「エンディング音楽は大事。そのアニメの主旨に合ったエンディングを。くるねこエンディングは句読点の丸の役割。」

本題の演出講義です。
■コンテ鑑賞
コンテは作品のスタイルによって変わる。赤塚不二夫の影響がある。

●「おぼっちゃまくん」第62話 BPart みぽりん
コンテデビュー作 ペンネーム:中野線路
制作進行の仕事をしながらギャラなし趣味で描いた。下書き3回で丁寧。このままアニメにして欲しかった。
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●「十兵衛ちゃん
荒い描きっぷりのラフコンテ。信頼しているアニメーターが大体分かってくれる。
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●「僕等がいた
落ち着いた感じであまり動きがなく、ほわ~んとしたコンテ。隙間の多いコンテ。

きれいな絵を写してトークしよう(笑)と原作マンガ作品をプロジェクターに映す大地監督。
僕等がいた
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原作マンガをアニメーション化する場合、色々な課題が出てくる。
マンガの表現(たとえば“目が描かれていない”マンガ独自の感覚や雰囲気)に対する指示や、忠実にする場合の補い等難しい。
僕らはアレンジャーである。
原作者と同じ感覚、それ以上の感覚をもてるのか、オリジナルファンに訴えることができるのか。
原作は動かないので、アニメーションの設計をどうするか。
仕事なので、自分に向いてない作品も来る。キャストの選択、マンガの始めの印象を念頭におく。

ここで大地監督のビデオコンテを鑑賞。コンテをFinalCutで間による音声を入れたもの。
大地監督自ら声を演出。アニメーターにみてもらって伝える。
始めは恥ずかしかったそうです。「自分でつくるものだから自分は大好き。」と大地さん。

大地:
「良い映画・芸能をたくさん観る。観るだけじゃだめ。自分で出力してつくってみる。出来の良さで精進が決まる。」

■質疑応答
大地:
「色んな作品を手掛けた方が良い。反応が悪かったとしてもキャラクターの宝になる。経験値になり次のアニメに繋がれば良い。僕の場合はギャグばっかりやってると行き詰まる。」
「自分のアニメーションだからこそというのは、キャストと音楽かな。」
「赤塚不二夫が好き。昔の名作はたくさん観るべき。つくりたいものに近いジャンルのものを。興味があれば観る、なければ響かないから。」
「原作のアニメ化には不安がある。自分が手を加えることによって、やってもらって良かったと言ってもらえると自信になる。原作より面白いものをつくるのが挑戦。」
「中学1・2年までに吸収したものがベース。」
   
講演会後の懇親会では、大地監督ファンが集まり質問や業界の話で盛り上がりました。
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残念ながら大地監督は早めの帰宅となりましたが、笑いが絶えない会話はさすが大地監督。
受講者も様々な職種、受講講座者がいて、交流機会になり良かった。

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次回第10回(2010年度第3回)監督術はアニメーション界の大御所
杉井ギザブロー監督!
杉井監督と直接お会いできるチャンスです!是非ご参加ください。
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by 2008_smallschool | 2010-05-15 15:31 | アニメーション監督術
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