<   2009年 10月 ( 5 )   > この月の画像一覧

朗報!

第3回、こどもアニメーションフェスティバルにて。
ちいさな学校夜間平面コースの生徒作品が入賞いたしました!
学生部門
優秀賞:「カエルの子」 河村誠
b0153230_2042262.jpg


審査員特別賞:「空中卵かけライス」 沼田光太郎
b0153230_206381.jpg


学生部門の受賞はこの2点のみ。
審査員特別賞は、今回特別設けられました。
沼田さんの作品が審査員の胃袋(ツボ)をつかんだんですね!
河村さんは、「カエルの子」の続編を制作中とのこと。
完成が楽しみです。

ちいさな学校の生徒作品、どんどん世の中に進出です!
作品は財産。生徒の皆さん、コンペにはどんどん出品していきましょう!
[PR]
by 2008_smallschool | 2009-10-26 20:10 | お知らせ

アニメーション監督術 第1回

10月10日。アニメーション監督術も無事スタートを切りました。
この講座はオムニバス形式で、毎回現役プロのアニメーション監督をお招きし講演していただくというもの。
テーマは演出の方法論ですが、監督としての心構えや体験談、制作の裏エピソードなど様々な話が飛び出します。

ということで、初回は杉井ギサブローさんをお招きし、アニメーションとアニメの違いを切り口に、「アニメーション表現とは?」という根本的なテーマについて語っていただきました。

b0153230_1723483.jpg


まずアニメーションとアニメの違いについて
アニメーションがコマ撮りという技法の面白さを追求するものであるならば、アニメは技法よりも物語を伝えることを追求したものである、とのこと。
アニメの例として「鉄腕アトム」が取り上げられます。

杉井さんは「鉄腕アトム」の制作に携わっていたときに、枚数を減らさないと間に合わないという事情から「動き」をかなり省略して制作していたそうです。
滑らかに動いていないにも関わらず、出来たアニメはとても面白かった。
このことが、アニメーション表現を志していた自分にとって、「絵が動く」とは何か、「動き」とは何か、を考える機会になり、その後のライフワークへとつながっていったそうです。

アニメは動きによる<質感>と<量感>を排除することで合理化を計った、という経緯があり、じゃあそれをどう補い<情感>を表現していくかということがテーマに。
そもそもアニメーションが絵で表現されている以上、実写のような質感表現は不可能。それゆえに記号的な情感は表現できるが、もっと心に響くようなものをアニメーションで表現するにはどうすればよいのか…。
35歳の時、杉井さんはそのようなアニメーション表現の壁にぶちあたり、10年の放浪の旅に出たそうです。
「人間の情感を表現できないのであれば、アニメーションを作る意味がない」
という言葉もあり、杉井さんのアニメーションに対する強い思いが伝わってきました。

b0153230_17241375.jpg


そして復帰後、最初に制作したのが、「銀河鉄道の夜」だったそうです。
「銀河鉄道の夜」の制作エピソードは特に興味深かったです。
宮澤賢治は作品を4回に渡り推敲を重ね、抽象化を進めていったそうで、それはジョバンニを誰にでも当てはまる存在として描くためだったのでは、と杉井さんは分析しています。
そんな宮澤賢治の作品にある抽象性を表現するために、ジョバンニを猫として描いたのだそうです。

この作品をつくることで、杉井さんがテーマとしていたのは、映画を「感じる」という領域に向かって発信できるか、ということ。
そしてそのためにはどんな演出をすればよいか?

話を聞いていて、杉井さんがどれだけ真摯にアニメーション表現に向き合っているのかが伝わってきました。そんな捉え方があったのか!と驚き、納得させられることもしばしば。

特に最後の方で語られていた、映画は人の脳の中に記憶として残り、その人の体験がミックスされ、観た人のものになっていく、という考え方にすごく共感しました。

現在制作中の宮澤賢治原作「グスコーブドリの伝記」では、動きに抽象性をもたせることで情感を表現できないか、ということがテーマになっているそうです。
講義の中ではパイロット版を見せていただきました。
来年春公開予定。完成が楽しみです。

最後の質疑応答の中で、絵画など他の表現方法においての抽象性について質問があり、答えの中で挙がった杉井さんの好きな画家が、クレーとミロだったのが印象的でした。何故かというと、私も好きだから。。。(個人的ですみません)
2人とも抽象だけど、情感のある絵を描くからなんだか納得。


講義の後、簡単な懇親会を開き、受講者同士の交流もありました。
この講座の受講者は全体的にクリエイターの方が多く、お互いの刺激にもなって有意義な時間だったのでは、と思います。
杉井さんはアニメーション監督術には2回来てくださるので、第2回目も楽しみです。(日程は未定です)


では、少し長くなりましたがこのへんで。
[PR]
by 2008_smallschool | 2009-10-16 17:18 | アニメーション監督術

立体アニメーション美術制作

日本映画美術界の大御所、木村威夫さんの立体アニメーション実習も無事スタートを切りました。
御年91とはとても思えない元気な声で、まずは「起立!」「禮!」の挨拶から。
「礼」ではなく「禮」。
心が豊かでないと禮にはならない。
その思いを込めて「禮」なのだそうです。

映像作品の美術を手掛ける上での2大要素は「着想力」と「寸法力」とのこと。
「着想力」…脚本を自分で料理するぐらいのつもりで!
「寸法力」…すべての建築物・家具調度品には尺貫法による寸法が隠れている!

お話を聞くだけでもおもしろい授業です。
そして、尺貫法の方眼紙を使って実習を行います。まずは、とある部屋の平面図と立面図を描き写すところから。
b0153230_18535229.jpg

その部屋は何のための部屋なのか?商売をやっているなら何屋なのか?
「着想力」と「寸法力」を身につける練習です。

一人一人の質問に丁寧に答える木村先生。
b0153230_18545010.jpg


この秋、木村先生が監督を手がけた映画、「黄金花」が公開されます!
試写会にて一足早く観させていただきましたが、リアリズムとファンタジーが混ぜ合わさった不思議な映画で、最後まで釘付けでした。
木村先生曰く、「何回か観た方がこの映画は味わい深い」そうです。
確かに色んな発見がありそう。
是非劇場に足をお運びください!受講者の皆さんは必見ですよ!

そして18日~、朝日新聞の日曜版にて連載も始まります!全10回。
映画美術の裏話が満載。事務局に掲示してあるので、こちらも是非。

さらに書籍も発売されます。
木村威夫著「裏話ひとつ 映画人生九十年」 岩波書店 ¥2100
木村先生の失敗談(!)が中心ということなので、面白おかしく読めそうですね(^-^)

今後も実践的な授業が続きます。
名言にも期待できそう。楽しみです!
[PR]
by 2008_smallschool | 2009-10-15 19:31 | 木村威夫映画美術実習

ノルシュテインさん来校!

10月11日。
ちいさな学校にとって本当に嬉しい、大きな出来事がありました。

それはなんと! ユーリー・ノルシュテインさんの来校!

ノルシュテインさんはちいさな学校が出来たきっかけであり、学校を語る上では欠かせない存在なので、今回の来校が叶ったのは本当に嬉しい一大ニュースなのです。
生徒も先生方もスタッフも、ついにこの日が来た…!という感じでテンションがあがります。

今回のメインは生徒の作品を、そして学校を見てもらうこと。
生徒作品上映とノルシュテインさんの批評、という内容でシンポジウムを開きました。
b0153230_20135755.jpg


一人一人の作品に対してとても丁寧に、そしてとても鋭く批評してくださいました。
「細部の積み重ねを信じられるものにすること」
「徹底的に絵コンテをすること」
「ドラマツルギへの意識をもつこと」
「想像力を育むこと」
b0153230_2013455.jpg


大切なメッセージがたくさん詰まったシンポジウムとなりました。
シンポジウムの詳しい内容は、現在準備中の特設サイトでご紹介したいと思っています。

シンポジウムの後、立体コースの3年生が卒業制作に取り組んでいるヌクスタジオを見学していただきました。
b0153230_20143746.jpg

b0153230_2015542.jpg


そして最後はラピュタ阿佐ヶ谷3Fの山猫軒にて、パーティーを開催。

皆さんノルシュテインさんとホットな交流が出来たのでしょうか。
私、古川は残念ながらパーティーに参加できず…。
全体的に大盛り上がりだったことを物語る写真と映像を見て、ハンカチをきりきりと噛む思いでした。
b0153230_2015384.jpg

b0153230_20155741.jpg

b0153230_20161014.jpg



ノルシュテインさんの今回の来校。
生徒の皆さんの中に、大きな糧を残していったことは間違いないでしょう。
月並みですが、本当に良かったです!

来年4月からは神奈川県立近代美術館<葉山>にて、大規模な個展も開催されるそうです。
楽しみですね~!

ノルシュテインさん来校サイト、完成したらまたお知らせしますので、しばらくお待ちください。
今回は取り急ぎ。

では失礼します。
[PR]
by 2008_smallschool | 2009-10-15 19:15 | 学校の日々

アニメーション講座、始まる

かねてから広報していた、10月開講のアニメーション講座が次々とスタートを切りました。
アニメーションの各分野におけるエキスパートからプロの仕事とその極意を学ぶ!
そんな授業の一端をご紹介します。

一番にスタートしたのは才田俊次さんの発想の作画術。
ちいさな学校では、小林準治さんの「作画実習」を毎年公開講座として開講していますが、小林先生の作画実習がモノはどのように動くかの基本、物理運動の理屈等を学ぶ授業ならば、才田先生の作画実習は、キャラクター(人物や動物などなど)の演技としての動きを主に学びます。

「歩き」という動きをみても、陽気な時、怒っている時などキャラクターの状態によってさまざまな
パターンの「歩き」があり、表現のテクニックがあります。
才田さん曰く、動きがリアルであるということは、作品に対する「共感を得る」ことにつながる、とのこと。
重要なのは「形」と「タイミングのコントロール」。

まずは基本、振り子の動きを学んだあとに、最初の課題「投げたボール」に取り組みます。
b0153230_19234031.jpg

投げたボールの軌跡から、最後にはそれぞれの好きな形に変化していきます。
描けたらチェック。
b0153230_1928961.jpg


第2回目の課題は「ジャンプ」です。以降「走り」→「歩き」→「振り向き(表情変化)」
と続いていきます。

ではまた。
[PR]
by 2008_smallschool | 2009-10-13 18:14 | 才田俊次発想の作画術